妊娠線ができるしくみ

皮膚は表皮、真皮、皮下組織から成り立っています。 妊娠して腹部が大きくなるにつれて、急激な体重の変化により、表皮は伸びることができるのですが、真皮や皮下組織の一部は伸びにくいために、皮下組織が裂けてひび割れが生じます。そして赤紫色の線状斑が現れます。できたばかりのときには赤い線ですが、時間がたつと白っぽい筋になります。これは結合組織の張力が大きすぎるか太りすぎや、妊娠中の組織の伸張が原因で弾性素とコラーゲン繊維の亀裂が起きる状態になります。 特に妊娠線が出来ることで痛みを生じるということはありませんが、痒くなることがあります。また下腹部、乳房、臀部、脚などの脂肪のつきやすい部分に妊娠線は現れます。1本の線幅2〜3mmで、長さ5cm程度で、触ると周囲の皮膚より少しへこんでいます。妊娠線は産後、赤紫色の妊娠線が薄くなり白色に変わっていきますが、光にあたるとテカリがでたり、産前のお肌にもどることはありません。「妊娠線」には個人差があって、出来やすい人、出来にくい人がいるようです。妊婦さんの8割〜9割の人にこの妊娠線が出来るといわれています。

妊娠線の予防

妊娠線の予防としてはまず体重の急激な増加や、太りすぎに気をつけることが最も重要です。また、妊娠線の出来るところはお腹だとそればかり気にしていたら、内腿とお尻にもいっぱいでき胸にもできていた、なんてこともよくある話のようですのでこまめなチェックが必要です。妊娠線ができる時期は、妊娠後期にできることが多いようですが、 産むまでずっとできなかったのに、出産直後のお腹の皮が縮むときに出来る場合もあるようです。妊娠線のケアはまずよく歩くこと。歩いているとと痒くなることがあるので、かかずに保湿を心がけるのがポイントです。出かける前に妊娠線予防クリームなどつけると良いでしょう。ストレスもよくありませんので適度な柔軟体操などして皮膚の伸びを防ぐこと。妊娠線予防クリームは約60%の人は効果があると答えられているそうですので、これに頼るだけでは完全な予防とはいえませんがご使用になられることをお勧めします。

妊娠線の治療

妊娠線の治療法は、ケミカルピーリング、サーマクール、カーボメッド、エンダモロジー、レーザー治療などが挙げられます。ケミカルピーリングは妊娠線が出来ている場所に薬剤を塗り、皮膚の表面の古い角質を取り除くことで新しい皮膚の再生を促す治療方法です。皮膚にコラーゲンを増やして、皮膚を丈夫にし張りを与えます。サーマクールとは、高周波とレーザーをあててお肌を活性化させます。乾燥し、妊娠線が出来てしまった場合はこの方法が効果的です。カーボメッドとは点滴時に使用する針よりももっと細い針で炭酸ガスを皮下脂肪に注射をします。血液中より酸素が放出され、新陳代謝を高め脂肪の分解をします。エンダモロジーとは簡単に言えば全身マッサージのような感覚です。引き締め効果大の為、たるみ・ボディラインの改善が期待できます。レーザー治療は、腹部の裂け目に沿ってレーザーを当てて皮膚を活性化させます。レーザーにはコラーゲンの再生を促す効果があることが確認されています。いずれの方法も妊娠線自体、消えることはないのですが薄くする効果は期待できます。妊娠線は傷とは違い、皮下組織自体の亀裂から来るもので、『簡単に消す』というわけにはいかないのです。出来てしまった妊娠線を治療ことよりも、妊娠中に妊娠線を出さないようにケアする方が賢明と思われます。

Copyright © 2008 妊娠線